回線品質(SLA)可視化のための設定
回線品質可視化のための設定
FITELnetルータを利用している拠点ごとに、監視したい回線のパケットロス率や応答時間(Round Trip Time)の変化を時系列で確認できます。通信状態の乱れや遅延を確認でき、原因調査や対策検討のためにご活用いただけます。
DNSプロトコルまたはICMPプロトコルを用いた監視を利用して監視先ごとに回線品質情報を取得します。回線品質情報の可視化により、回線品質監視の閾値を決めたり、DNSサーバの稼働状況の確認にもお使いいただけます。
回線品質可視化の画面表示については、回線品質(SLA)可視化のページをご参照ください。このページでは、回線品質可視化のために必要な設定について解説します。
利用条件
- 以下の機種/バージョンにてご利用可能です。
- F70, F71:V01.14以降
- F220, F221:V01.16以降
- F225:V01.04以降
- F310:V01.04以降
- F220 EX, F221 EX:V10.13以降
ご利用いただくための設定
下記に設定例1、2を記載していますが、DNSプロトコル監視/ICMPプロトコル監視どちらも併用して可視化することも可能です。
設定例1:DNSプロトコル監視によるSLA監視結果の可視化を行う
ルータにf-rakunet sla enableコマンド、SLA DNSプロトコル監視を設定することで、DNSサーバの監視によるSLA監視の可視化が可能です。ただし、SLA DNSプロトコル監視に関してはRTTの時系列グラフの表示は未サポートです。 機器に以下の設定を行ってください。
ip route <A.B.C.D M.M.M.M> <ネクストホップ> sla-track <sla-track名> (*1)
sla-track <sla-track名> profile <SLAプロファイル名> (*1)
!
f-rakunet sla enable (*2)
!
sla profile <SLAプロファイル名> (*3)
protocol dns <SLAプロトコル名> (*4)
exit
!
sla protocol dns <SLAプロトコル名> (*5)
server <監視DNSサーバアドレス> (*6)
domain <IPv4またはIPv6> <ドメイン名> (*7)
!
*1 これらのコマンドを設定すると、SLAプロファイルのUp/Down状態(プロファイルステータス)と連動させて、経路情報(A.B.C.D/M)の有効化/無効化を制御できます。回線品質をもとに経路切り替えを行いたい場合等にご使用ください。Fらくねっと上にてSLAプロファイルとsla-trackの紐づけを確認できます。
*2 このコマンドにより、SLA 監視結果をFらくねっとで可視化することができます。併せて以下*3~*7の、SLA 監視の設定を行ってください。
*3 SLAプロファイル名を指定してください。
*4 SLAプロトコル名を指定してください(複数指定可)。複数指定の場合は、いずれかのSLAプロトコル(=ステータス)がUPしていれば、SLAプロファイルステータスがUPとなります。profile-status match-allコマンドを設定すれば、全てのステータスUPの場合に、SLAプロファイルステータスがUPとなります。
*5 SLAプロトコルを複数設定する場合は、SLAプロトコルごとに sla protocol dns モードを設定してください。
*6 監視するDNSサーバのIPアドレスを指定してください。
*7 <IPv4またはIPv6>の指定により、IPv4、IPv6アドレスどちらにDNS解決するかを指定します。<ドメイン名>の指定により、監視パケットとして DNS サーバに送信したいドメイン名を指定します。
SLA DNSプロトコル監視設定では、監視間隔などを変更可能です。 監視の動作としては、下記を繰り返します。
- 監視パケットを送信
- 応答パケットを待機、受信
- 送信回数分1、2を繰り返す(デフォルト送信回数:5回)
- 定期送信間隔待機(デフォルト定期送信間隔:60秒)
10分間のうち、上記動作の中で取得したパケットロス回数、パケット送信回数をもとに、時系列グラフ表示に使用するパケットロス率が算出されます。
設定例2:ICMPプロトコル監視によるSLA監視結果の可視化を行う
ルータにf-rakunet sla enableコマンド、SLA ICMPプロトコル監視を設定することで、ICMPプロトコル監視によるSLA監視の可視化が可能です。 機器に以下の設定を行ってください。
ip route <A.B.C.D M.M.M.M> <ネクストホップ> sla-track <sla-track名> (*1)
sla-track <sla-track名> profile <SLAプロファイル名> (*1)
!
f-rakunet sla enable (*2)
!
sla profile <SLAプロファイル名> (*3)
protocol icmp <SLAプロトコル名> (*4)
exit
!
sla protocol icmp <SLAプロトコル名> (*5)
peer <監視先アドレス> (*6)
mode periodic (*7)
loss 5 (*8)
!
*1 これらのコマンドを設定すると、SLAプロファイルのUp/Down状態(プロファイルステータス)と連動させて、経路情報(A.B.C.D/M)の有効化/無効化を制御できます。回線品質をもとに経路切り替えを行いたい場合等にご使用ください。Fらくねっと上にてSLAプロファイルとsla-trackの紐づけを確認できます。
*2 このコマンドにより、SLA 監視結果をFらくねっとで可視化することができます。併せて以下*3~*8の、SLA 監視の設定を行ってください。
*3 SLAプロファイル名を指定してください。
*4 SLAプロトコル名を指定してください(複数指定可)。複数指定の場合は、いずれかのSLAプロトコル(=ステータス)がUPしていれば、SLAプロファイルステータスがUPとなります。profile-status match-allコマンドを設定すれば、全てのステータスUPの場合に、SLAプロファイルステータスがUPとなります。
*5 SLAプロトコルを複数設定する場合は、SLAプロトコルごとに sla protocol icmp モードを設定してください。
*6 監視先のIPアドレスを指定してください。
*7 監視モードを指定してください。現在サポートしているのはperiodicモードのみです。
*8 ICMPパケットを何回ロスしたら監視結果をDOWNと判定するかを指定してください。また、SLA DNSプロトコル監視とは異なり、パケットロス率の算出にはこのコマンド設定が必須です。設定しない場合はパケットロス率は常に0%となります。
SLA ICMPプロトコル監視設定では、監視間隔などを変更可能です。 監視の動作としては、下記を繰り返します。SLA DNSプロトコル監視とは監視動作が異なり、応答パケットを待たずに監視パケットを送信します。
- 監視パケットを送信
- 定期監視間隔待機 (デフォルト定期監視間隔:1000ミリ秒)
10分間のうち、上記動作の中で取得したパケットロス回数、パケット送信回数、RTTをもとに、時系列グラフ表示に使用するパケットロス率、RTTが算出されます。
SLA監視機能に関する詳細な設定は装置マニュアルをご参照ください。